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最高級ブランド時計コピーBLOG

高級ブランド時計コピー

機械加工によって「ワーク」が「パーツ」になる瞬間が目に浮かぶ。

ステンレススティールを中心とした金属素材そのものの質感を生かしたデザイン、独特の漢字やカタカナフォントを彫り込んで墨入れした各種文字、一筋縄ではいかない時刻表示とギミック。日本からこのような腕時計が生まれ、現在日本国内だけで販売されている状況は、世界中の時計マニアからうらやましがられている。海外オークションに流出した個体に小売価格の数倍の価格が付くことが、その枯渇感をよく表している。
 これまで、そんな大塚ローテックが、時計会社である東京時計精密と連携して世に出した7.5号および6号は、いずれも同ブランドの創業者である片山次朗氏が単独製作していたものに比べ、デザインのアレンジはありつつもオリジナルに忠実であった。ところが今年発表された5号改は、回転ディスクのイメージとケースデザインは紛れもなく2012年に発売された「5号」であり、従来通りオリジナルを尊重しているものの、時間表示ギミックをドラスティックに変えるという完全新設計の腕時計であったのだ。なぜこのような腕時計になったのか。それはやはり東京時計精密と時計作りを進めるうえでの“シナジー”が大きく発現したためと思える。以下、筆者の想像も含めながら書いてみたい。
衛星のように動くアワーディスクと、固定された目盛りが組み合わさって時間を刻むサテライトアワーウォッチ。以前に作られた5号とは異なり、新たに「改」を名乗ってこのサテライトアワー機能を、国産腕時計としては初めて実装した。風防込みでのケースの厚みは12.2mm。自動巻き(MIYOTA90S5+自社製サテライトアワーモジュール)。25石+2ボールベアリング。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径40.5mm、厚さ7.6mm)。日常生活防水。74万8000円(税込み)。
 例えば5号改のデザインを腕時計として成立させるためには、第一に、そそり立ったボックス形状のサファイアクリスタル風防が必須となる。そのような風防はこのモデル専用のパーツであり、ある程度のMOQ(編集部注:Minimum Order Quantity、発注可能な最低数量のこと)が見込まれないと、常識的な価格では手に入らない。つまり、安定的かつ相当程度のキャパシティーを持つ生産体制が不可欠である。7.5号のインプレッション時にも、モデル専用と思われるレンズ状の特殊な風防を用いていることに言及した通りだ。このような特殊パーツを使用できるような、相応の安定的な生産体制を築くことができたのが、大きなシナジーと言えるだろう。
 特筆すべきシナジーはもうひとつある。5号改は本年1月15日、ベアリングやモーターなどといった電子機器部品を製造するミネベアミツミとの合同記者会見で発表された。東京時計精密の浅岡肇代表が手掛けるブランド、「HAJIME ASAOKA」の腕時計には、従来から極小のボールベアリングが用いられており、同社との関係性を築いてきたことが分かる。今回はアワーディスクを回転させるためのガイドローラーに、本作のために新設計された、わずか外径2.5mm、内径1.0mm、幅0.8mmのボールベアリングを搭載することができたのは、東京時計精密との連携があればこそだ。
 5号改のように独創性が高く、優れた品質を持つ腕時計を実現するためには、さまざまな試作過程を経て、片山氏のアイデアで課題を解決し製品に落とし込んだ、高レベルな設計が必須である。一例を挙げると、9時位置のアワーディスクの下に、真鍮製の減速歯車が存在する。通常の歯車ではサテライトアワーのバックラッシュが問題となったそうで、トライ&エラーの結果、上下で位相をずらした2枚の歯車で減速歯車を構成することとし、バックラッシュを回避したのだ。
アワーディスクの下の真鍮製の減速歯車が、わずかに位相をずらした二重構造となっていることが伝わるだろうか。小さく狭いスペースでバックラッシュを回避するために採られた手法だ。アップでみても非常にメカメカしく、目的を持った金属パーツ群の塊は魅力的である。
 いきなり細かい話となったが、そもそもこの時間表示機構は、国産時計では初めて採用されたヴァガボンドアワー機構あるいはサテライトアワー機構と言われるものであり、有名なところではオーデマ ピゲの「スターホイール」やウルべルクの「UR-100」などがある。表示機構が特殊であるため、通常の2または3針腕時計とは似ても似つかない外観となり、この5号改もまた極めて特徴的かつ独創的で、その機構を前面に出してボックス型のサファイアクリスタル風防で覆うという構成になっている。
 ベースムーブメントはこれまで同様ミヨタの自動巻きであり、6号や7.5号と異なりシースルーバックではなく、ローターなどは見せていない。逆に言えば、表面から見せたい部分をすべて見せる、という設計とも言えるだろう。それではディテールを見ていこう。
このUFO的な佇まいは唯一無二と言えよう。理想を追求したうえで採用に至った数字や日本語フォント、ステンレススティールや真鍮などの削り出しのパーツ群、4時位置のシャープにローレット加工されたリュウズが備わる姿は、まさに大塚ローテックの醸し出す世界観そのものである。なお5号改は2024年11月、ブライトリング時計コピースイスの国際時計博物館(MIH)の収蔵品となった。
 文字盤に相当するのは3時側に配された扇状のミニッツスケールであり、精緻な切削による洋銀製パーツである。続いて目に入るのは3つのアワーディスクを吊っている文字盤中央のパーツである。表面は放射状の筋目が入り、フライスでザグった両端にマイナスネジが留められている。またもうひとつ目に入るのが、このパーツの外周に配された3本の規制バネだ。カレンダーやクロノグラフ機構のムーブメントなどに多く見られる規制バネは通常目に入らないが、本作は最上段に搭載されるため存在感がある。また、細く仕上げられていることから、本作の繊細さの演出にも効果を発揮している。このような三角パーツに限らず、ほぼすべての部品表面に確認できる機械加工によるツールマークそのものが、大塚ローテックの腕時計の特徴であり魅力である。
 バリ取りなどの仕上げは当然されているものの、高級機械式腕時計のセオリーのような、ピカピカの鏡面手仕上げなどを全面的に取り入れていないことが、大塚ローテックブランドの特徴であり、また良心的な価格のひとつの要因でもあろう。ほとんどすべてのパーツがエンドミルによって出来ているのではないかと思うようなメカメカしさだ。それらが切削油にまみれ熱を持った状態でチャックから外され、機械加工によって「ワーク」が「パーツ」になる瞬間が目に浮かぶ。
 とはいえ、もちろん一切手仕上げが入っていないというわけではない。チムニー状のベゼルからラグ上面まではマシニングの挽き目であろうが、サイドのヘアラインは縦の一直線なので、前述の挽き目とマッチするようなヘアライン仕上げを後に入れ、また、ストラップ側の丸みを帯びたラグ端についても後に人手で筋目加工をしていると思われる。これら部分部分で一切の違和感がないのが「さすが」であり、金属加工を知り尽くす現在の名工がプロデュースしていることが、ありありと分かるのだ。
 ムーブメントの一段上の階層には「大塚ローテック 東京」などと、“例のフォント”で刻印のあるプレートが存在する。ここはサンドブラスト仕上げである。12時位置から始まる赤い矢印も良いアクセントだ。3時側にある扇状の“文字盤”も繊細なツールマークとともに、“例のフォント”を用いた数字が刻印される。
 その一段下の層の5時位置に見える部分はペルラージュ加工がなされており、前述したプレートのサンドブラスト面と、とても印象的な対比を魅せる。こちらはステンレススティールゆえにシルバー色だが、12時位置にも見えるペルラージュ面は真鍮の金色だ。アワーディスク下の、機械式時計としては比較的大きなモジュールの歯車も真鍮製である。このようにシルバー色を基調としてパーツによっては真鍮の金色、各種フォントは黒に墨入れ、矢印は赤、とポイントを押さえた色使いも見事である。金属材料については適材適所でこのような構成になったものであろうが、機能は美でもあることを再認識させられる。
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